新シーズン開幕!2025/26幕開けオペラ演目まとめ【スカラ・ウィーン・MET・パリ・ROH】
目次
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- はじめに
- ミラノ・スカラ座(Teatro alla Scala)
- ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)
- メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera)
- パリ国立オペラ(Opéra national de Paris)
- ロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House, London)
- 開幕演目比較表
- まとめ
1. はじめに
9月ですね!秋から冬にかけて、世界の名門オペラハウスがそれぞれ新シーズンを迎えます。
2025/26シーズンは、新作オペラの初演から伝統的な名作まで、注目すべき演目が並びました。
本記事では、世界5大歌劇場(スカラ・ウィーン・MET・パリ・ROH)の開幕演目をまとめました。
2. ミラノ・スカラ座(Teatro alla Scala)
- 開幕日:※2025年12月7日(伝統的に聖アンブロージョの祝日)
- 演目:ショスタコーヴィチ《ムツェンスク郡のマクベス夫人》
- 指揮:リッカルド・シャイー
- 演出:ヴァシーリー・バルハトフ
- 注目ポイント:ミラノ・スカラ座のシーズンの皮切りは、必ず新制作(新演出)であることが原則。また社会批評性の強い衝撃作をスカラがシーズン冒頭に置くのは異例。強烈なインパクトで幕を開けます。(傾向を見るとヴェルディ作品が圧倒的に多いです)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milano_Scala_20101230a.jpg
3. ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)
- 開幕ガラ:2025年9月7日、ブルクガルテンでの記念ガラコンサート
(ヨナス・カウフマン、エリーナ・ガランチャら出演) - 最初のオペラ公演:2025年9月28日
- 演目:スメタナ《売られた花嫁(Die verkaufte Braut)》
- 注目ポイント:ガラは特別記念行事ですが、本格的なオペラは《売られた花嫁》がシーズン最初の幕開けを飾ります。今シーズンは例外で、オーストリア第二共和国成立80周年や国家条約締結70周年など、国全体の記念年に合わせ、9月7日に屋外でのガラコンサートがシーズン初日に置かれています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Staatsoper_Wien_DSC_5273w.jpg
4. メトロポリタン歌劇場(The Metropolitan Opera)
- 開幕日:2025年9月21日
- 演目:メイソン・ベイツ新作《The Amazing Adventures of Kavalier & Clay》
- 演出:バートレット・シャー
- 注目ポイント:ピューリッツァー賞小説を原作とする新作オペラ。METの挑戦的なラインナップの象徴として注目を集めます。こちらの公演について取り上げた記事はこちら。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:New_York_Metropolitan_Opera_House_1140788.jpg
5. パリ国立オペラ(Opéra national de Paris)
- 開幕日:2025年9月12日
- 演目:プッチーニ《ラ・ボエーム(La Bohème)》
- キャスト:ニコール・カーほか
- 注目ポイント:伝統を重んじつつ、新たな解釈で蘇る舞台が期待されています。オーストラリア人でありながらフランス芸術文化勲章を授与されたニコール・カーが主演。

パリのオペラ座と言ったら下記の豪華絢爛なガルニエ宮殿のイメージですが、現在ほとんどのオペラはこちらバスティーユで上演され、ガルニエではバレエがメインです。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paris_Opera_full_frontal_architecture,_May_2009.jpg
6. ロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House, London)
- 開幕公演:2025年9月11日〜21日
- 演目:プッチーニ《トスカ(Tosca)》
- 指揮:ヤクブ・フルーシャ(新音楽監督として初登場)
- 演出:オリヴァー・マーズ
- キャスト:アンナ・ネトレプコ(6年ぶりにCovent Garden出演)
- 注目ポイント:現代戦争下のローマを舞台にした新演出。6年ぶりとなるネトレプコの復帰が話題。その賛否と過去に取り上げたニュースはこちら。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Teatro_Real_de_Ópera,_Londres,_Inglaterra,_2022-11-24,_DD_01-03_HDR.jpg
7. 開幕演目比較表
劇場名 | 開幕日 | 演目 | 注目ポイント |
---|---|---|---|
スカラ座(ミラノ) | 12月7日 | ショスタコーヴィチ《マクベス夫人》 | 社会批評的傑作を開幕に |
ウィーン国立歌劇場 | 9月28日 | スメタナ《売られた花嫁》 | 記念ガラの後に最初のオペラ |
メトロポリタン歌劇場 | 9月21日 | ベイツ《Kavalier & Clay》 | ピューリッツァー原作の新作 |
パリ国立オペラ | 9月12日 | プッチーニ《ラ・ボエーム》 | 伝統的オペラ |
ロイヤル・オペラ・ハウス | 9月11日〜 | プッチーニ《トスカ》 | フルーシャ新体制、ネトレプコ復帰 |
8. まとめ
2025/26シーズンの幕開けは、劇場ごとの個性がはっきりと表れています。
- スカラ座は重厚な社会派オペラで強烈にスタート。
- ウィーンは国の記念行事を経て、伝統的喜劇で正式開幕。
- METは新作で世界の注目を集める挑戦。
- パリは正統派で秋を彩り、
- ロンドンは大スターの復帰と新体制の門出を祝います。
それぞれの劇場が放つ“第一歩”は、そのシーズン全体の方向性を示すシンボルでもあります。
オペラファンにとって、この秋冬は世界の歌劇場に目が離せないシーズンとなるでしょう。
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