元ドイツ銀行FXトップ、オペラ作曲家に転身

ケビン・ロジャーズ氏、電子オペラで芸術の舞台へ 

元ドイツ銀行FX部門幹部のケヴィン・ロジャース氏が、電子オペラ作家として転身。Tête à Têteフェスで政治テーマの新作を発表予定。異色の取材として注目されています

目次

目次

  1. 金融界から芸術界への異色の転身
  2. ポストパンクバンドから世界の為替市場へ
  3. 退職後に再燃した音楽への情熱
  4. ギルドホールで電子オペラを学ぶ最年長学生
  5. テート・ア・テートでの新作上演決定
  6. 金融と芸術、二つの世界で生きる
  7. 成熟期の学び直しが示すキャリアの可能性

1. 金融界から芸術界への異色の転身

ドイツ銀行でグローバルFX(外国為替)部門のトップを務めたケビン・ロジャーズ(Kevin Rodgers)氏が、70歳を目前にしてオペラ作曲家として活動を始めました。長年にわたり世界の為替市場を率いてきた同氏は、退職後に音楽の道へ再び足を踏み入れ、現在は電子音楽とオペラを融合させた現代作品に挑戦しています。


2. ポストパンクバンドから世界の為替市場へ

ロジャーズ氏は若い頃、ポストパンクバンド「Happy Refugees」で活動していました。しかし商業的な成功には恵まれず、その後ロンドン・ビジネススクールでMBAを取得。メリル・リンチやバンカーズ・トラストを経て、2012年から2014年にかけてドイツ銀行のグローバルFX部門責任者として活躍しました。金融界でのキャリアは25年以上に及び、国際的な取引の最前線を経験しています。


3. 退職後に再燃した音楽への情熱

2014年に銀行を退職後、ロジャーズ氏はかつての情熱であった音楽に再び向き合いました。オペラ歌手としてバス=バリトンを学び、ロンドン北部の小劇場などで演奏活動を開始します。一方で、FX市場の専門証人や金融分野の著作活動も継続し、金融知識と芸術活動の両立を図ってきました。


4. ギルドホールで電子オペラを学ぶ最年長学生

新たな挑戦は、友人からの助言がきっかけでした。ロジャーズ氏は61歳でガーディホール音楽演劇学校(Guildhall School of Music and Drama)に入学し、“エレクトロニック&プロデュースド・ミュージック”を専攻しました。最年長クラスの学生として学び、政治や社会をテーマにしたオペラ制作に取り組んできました。


5. テート・ア・テートでの新作上演決定

卒業制作として完成させたのは、50分間の“ネオ・ヴェリズモ”電子オペラです。この作品はロンドンで行われるテート・ア・テート(Tête à Tête)オペラフェスティバルの一環として、セントジョンズウッドのコックピット劇場で2025年10月4日に初演される予定です。公演の収益は出演者支援のために全額寄付されることになっています。


6. 金融と芸術、二つの世界で生きる

現在もロジャーズ氏は金融分野とのつながりを保ち、ヘッジファンドの取締役やアドバイザーとして活動しています。一方で、作曲家としての道も着実に進めており、金融で培った戦略的思考を芸術制作に生かしています。


7. 成熟期の学び直しが示すキャリアの可能性

ロジャーズ氏の歩みを通して、年齢を重ねてからの学び直しは、キャリアを立て直すだけでなく、新しい自分を見つけるきっかけにもなることがよくわかります。

金融の世界と芸術の舞台という、一見かけ離れた分野を自由に行き来するその姿は、多くの人の希望の対象であり、インスピレーションを与えています。

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この記事を書いた人

音楽大学大学院でオペラを専攻後、ドイツ・オーストリアに留学。ヨーロッパ各地のオペラハウスの舞台に立つ中で、音楽界の多様性と奥深さ、そしてそのスピード感に魅了される。
帰国後も音楽活動を続けながら、「日本にもっと世界の音楽情報を届けたい」という思いでThe Aria Timesを立ち上げる。
好きなオペラはR.シュトラウスの『ばらの騎士』、最近気になる歌手はSaioa Hernández。美味しいものを食べることと料理を作ることが大好き。子育てに奮闘中。​​​​​​​​​​​​​​​​

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